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終末を退けたってどうせいつか宇宙は滅びるんだから無駄やん、っていう意見の人がチラホラいてこれまでの話読んどったんかワレェと思ってしまった。何をどう感じるかは人の自由だけど、テーマ丸無視なのはさすがに……
「善くないもの」はなくならないしすべてのものはいずれ終わりを迎える、でもそんな中でも挫けず希望に向かって進み続けられるだけの心の強さをハイデリン／ヴェーネス様は人に求めて一万年以上も星の営みを見守り続けたんじゃないかあ。だからこそ最初は手の打ちようがないと思えた終末も退けられたんだし、もしかしたら宇宙の終わりだってどうにかできるかもしれない、でも諦めたらイーアか満ち足りた世界エンドにしか進まないじゃん……そういうことじゃないのかー？
ハイデリン派VSゾディアーク派はどっちが正しい、正しくないじゃなくて、漆黒でヒカセンとエメトセルクがお互い譲れないもののために戦ったのと同じで、それぞれが考える最善の道を貫くために戦ったわけなのよな……もしゾディアークが封印されなくて終末を先延ばしにしただけの未来があっても、その時間稼ぎの間に古代人たちの考えが変わって終末に立ち向かう強さを手に入れていたかもしれない。そもそも新生～暁月でそういうようなことを何度も目の当たりにしてきたわけで……
でもエメトセルクが言っていたとおり続くのは勝者の歴史で、ハイデリンはゾディアークを封印して世界を分割したし、それは最終的に終末へ打ち勝つ結果へたどり着いたんだけども。ハイデリン／ヴェーネス様だって自分のしたことが絶対的に正しいとも許してほしいとも思ってないし……だからハイデリン／ヴェーネス様が独善的だとか考えを押しつけてるって意見が出るのも仕方ないことか。ゾディアーク派がまさにそういうこと考えてただろうし……これはもうAC4関連で見た「生きている人を殺すか、生まれてくる人を殺すか」っていう領域の問題じゃなかろうか。どちらにせよどちらかは殺さないといけない話。ゾディアーク派は後者を選び、ハイデリン派は前者を選んだんだね……
ガレマール帝国に向かう時やエクスアダマント集める時の全員集合を見るに、やっぱり絆、ミもフタもない言い方をすれば人脈は大事よね……っていう。ヴェーネス様はそこでしくじったように思える。まあヴェーネス様が悪いというより古代人の思考や常識が原因というか……ほとんどの人が満ち足りて幸せで脅威だった終末もなくなったし元の世界に戻せそうな方法もあるのに、どうして考え方を改めなきゃいけないの？ というのは分からなくもない。たとえ世界を完全なる善きものにした結果全古代人が星へ還って滅びたとしても、彼らからすればそれは本望だろうし……だからこそヒカセンみたいに同志、仲間を集められなくて、得られる情報や技術、とれる選択肢も狭まってしまったんじゃないかと。でもほとんどの人が同じ考え方を持ってるゆえに平和な古代世界では失敗して、考え方が違い過ぎるゆえに争いの絶えない現代世界では成功して、っていうのも考えさせられますなー。
古代世界のくだりはちょっとTOV思い出した。エンテレケイアとか同じ用語が出てきたのもあるけど、クリティア族の集落で感覚を共有して穏やかに暮らしてる話。ジュディスがメインのノベライズだったかな？ ジュディスの父親だけは感覚を共有しないでその輪から外れて過ごしてるのとか、恐怖をも共有してしまって住人が皆恐慌状態になるところとか。そういえばジュディスの父親もヘルメスっていうんだったっけ……ヘルメスというのは悩みが多くて世界の命運を握ってしまう何かを作る宿命を背負った名前なのか。こっちのヘルメスは自ら一人になってたけど……
ヘルメスの言動もね……エメトセルクとは違う方向に不器用なんだと感じた。あそこでメーティオンの報告を聞かずにエメトセルクたちに協力していたら、大事のために小事を切り捨てる、自分が今まで嫌っていたことをする側にまわっちゃうから、たとえ世界を滅ぼすことになっても……みたいな結論を出してしまったような感じ。メンヘラメンヘラ言われてるけど、病んでるというよりはよくも悪くも融通の利かない性格をしてるんだと思う……そして切り捨てられるものに対して割り切ることができないというか……エメトセルクもだけどその優しさゆえに苦しみ悩むキャラが好き。
だから言動にツッコミどころが多くてもヘルメス嫌いになれないんだよなぁ……どっちかというと第二のリセというか、シナリオのシワ寄せを喰らって矢面に立たされてるような印象を受ける。まわり道的なクエストも好きではあるけど、ヘルメスやメーティオン関連の描写を増やせるならいくつか削ってもいいクエストあったなぁ……などと考えてしまう。ラスボスが生まれる原因なんだからもっと丁寧に描いてよかったと思うんだー。